“受け取るマインド”は今すぐ捨て去りなさい

From:古田寛幸
午前7時40分
自宅の仕事部屋

古田です、

プロサッカー選手は、
とんでもなくカッコいいです。

僕自身は小学6年生でのドイツ遠征を機に
「サッカー選手になる」ことを決めました。

夢は「プロサッカー選手になること」

この自分の未来を信じて止まなかったんですね。

世代別の日本代表に入っていたのも
凄く大きかったです。

一緒にプレーしていた周りの同級生たちが
高校在学中にプロになったり、(原口元気選手)

当時憧れていた柿谷曜一朗選手が
高校1年生でプロになったりで、

自分も高校3年間は通う気が最初からなく、
(先生すみません笑)

「どれだけ早くプロになれるか?」

それしか考えていなかったです。

プロサッカー選手になることは
当時の僕にとっては通過点にしか過ぎず、
(生意気でしたね)

海外でプレーすることが
自分のビックピクチャーになっていました。

なのでコンサドーレ札幌のアカデミーから
高校3年生時に飛び級でトップ昇格した際は
(2種登録)

「よし、ここからだ」

という思いが強かったです。

有り難いことに当時「イシさん」
の愛称で知られる石崎信弘監督の就任と
同時期だったことも運がよく、
(若手をよく使ってくれる監督でした)

高校3年生の夏から試合に使って貰い、
クラブ最年少スタメンになりました。
(その後、三上陽輔選手、荒野拓馬選手に抜かれた気がします)

ただ、“30試合無得点”という、
何とも生き地獄のような状態になり
ストレスは最高潮でしたね。笑

初ゴール後にホッとし過ぎて、
次の日に胃腸炎になったのが懐かしいです。笑

まるで別世界

サッカー選手になり、僕は早々に
“代理人”をつけました。

サッカー選手は8割、9割の選手が
自分の代わりにチームと交渉をしてくれたり
移籍先を探してくれる代理人をつけるのですが、

僕は当時コンサドーレ札幌で結果を出して
海外でプレーすることを目標にしていたので

海外に強い代理人さんをつけました。

サッカー選手あるあるなのですが、
代理人への不信感を持つ選手も多く、

どういうことかと言うと、
要するに代理人が、自分のために
動いているか動いていないか、見えない訳です。

ステップアップするための
移籍先であったり、

契約満了時の次なる移籍先だったり、
それこそ海外のチームだったり、

自分が思うような条件の年俸、
及びクラブの移籍先が、

代理人に全て委ねられています。

つまり、選手自ら移籍先の確保や
交渉をしている訳ではないので、

他責にしてしまうようなシステム
なっているのです。
(もちろん全ての選手と代理人が
 そうな訳ではありません)

これが当時の僕には非常にジレンマで、
自分が思うような人生にならないのは
本来全て自分の責任であるはずなのに、

若く経験が浅かったこともあり、
他責にしてしまうことがありました。

自分自身が良いパフォーマンスをして
どのクラブも欲しがるようなプレーヤーに
自分がなればいいだけの話なのですが、

自分は日々の結果に集中し、
後は自分がつけた代理人がクラブを
持ってこれるか、否か。

のような自分ではコントロールが
効かない範囲での出来事に
委ねなければならない、というのが

サッカー界に蔓延る

“受け取るマインド”を形成する原因と
なっていました。

選手ファースト


この言葉を聞いたことがある方も
多いのではないでしょうか?

選手はとにかくプレーに集中。

あとの煩わしいことは
クラブの方々がやってくれる
という世界です。

先程の年末等の移籍や交渉も
去ることながら、

試合で使うスパイクやユニフォームも
クラブのホペイロの方や運営の方々が
運んでくれて、

会場着いた時には自分の
ロッカールームに、それら全てが
綺麗に並んでいますし、

とにかくクラブとして選手に気持ちよく
戦ってもらい、プレーや結果に集中できる
環境を作ってくれるのです。

僕自身も、これがプロの世界だと思いますし、
サッカー界の発展を考えると

こうでなくてはならないと感じます。

これぞ、“プロ”です。

ただ、これらが取り巻く環境に
ずっと身を置いていると、

先程言った“受け取るマインド”が
知らず知らずのうちに身体に染み込んでしまい

「やって貰って当たり前」

になりやすいのです。

もちろん感謝は全選手がしていると
思いますし、偉そうにする選手が
いるわけではないのですが、

人間、何事もどうしたって
“慣れる生き物”なので

心の奥底にこの“受取るマインド”が
根強く残ってしまうんですよね。

これが今回、僕自身が
最もアスリートたちに伝えたい
セカンドキャリアで起こる

弊害マインドなんです。

ビジネスの世界はそうじゃない

これは僕自身が起業して思ったことです。

シンプルに、誰もやってくれないです。笑

会社にガチガチに雇用されていれば
保障やら何やらあって会社に守られている
かもしれませんが
(このシステムも近年崩れつつありますよね)

自分でビジネスをすると
全て自分で動かないと、
何も前には進まないです。

本来アスリートのマインドは
自分でビジネスを構築して

社会や人々に価値を提供していく

つまり結果を出していくことが
得意なはずですし、必ず現役中の経験が
活かされることがあるので、

僕個人としてはアスリートたちに
起業・経営を推奨するのですが

「自分には無理だ。サッカーしかない。」

この考えが非常に勿体ないと
思っているんです。

「知らない」

というだけで
未来の選択肢を大幅に失っているのです。

その上さらに“受け取るマインド”
が染み付いてることで

「結果は出したい」
「やりたいことをやりたい」
「ワクワクすることをやりたい」

と言いつつも、

「安定したい」
「保障して欲しい」
「条件を良くして欲しい」

と、「良いとこ取り」をしようとします。

サッカー界から飛び出した瞬間、
今までの自分を否定したくなるほどの
虚無感に襲われるのです。

リハビリ期間が必要

少しアスリートたちを否定するような
内容になってしまっているかもしれませんが、

僕自身、本気で警笛を鳴らしたいんです。

アスリートは周りからリスペクトされて
生きてきているので、誰かが本気で
問題点を指摘してあげないといけないかと。笑

僕自身もアスリートだったので
リスペクトは誰よりも持っていますし、

今もアスリートたちと接することができるのは
とても有り難い限りです。

が、

だからこそ、
誰よりもアスリートたちの人生を
向上させていくことにパッションがあり、

熱が入るのです。

選手のパフォーマンスの向上は
ハッキリ言って僕の役割ではないです。

それは僕よりパッションのある
指導者の方々がやってくれています。

しかし、選手の人生を
トータルで向上させる、

要するに、現役より長い期間を過ごす
引退後のキャリアでの選択肢

いわゆるセカンドキャリアに関して、
圧倒的な環境をつくることへのパッションは
並大抵ではないです。

サッカーで培ったものは
全てビジネスの世界に転用させる。

そして染み付いた“受け取るマインド”は
徐々にリハビリ期間を通して脱却させていく。

それらの取り組みがアスリートには
必要だと思っています。

何者でも無くなる準備

サッカー界はこれまで話してきたような
非常に夢のある世界であることは
間違いないです。

サッカー選手になりたい子供たちには
「全力で目指せ」と伝えます。

それと同時に、僕が子供たちに
真剣な眼差しで伝えることがあると
するならば

「サッカーだけしかできない人間にはなるな」

こう伝えるでしょう。

サッカー選手という鎧は
いつか剥ぎ取られるのです。

一生身に付けれれる衣装ではないです。

サッカー選手という鎧を
床に脱げ捨ててからが

本当の人生の始まりです。

そこから競技人生よりも
ずっとずっと長い長い
ビジネスの世界で戦うという

ゲームチェンジからの熾烈な
ポジション争いが始まるのです。

その準備はできていますか?

今までのマインドが
裏目に出る覚悟はできていますか?

今までの常識が
非常識になる認識はありますか?

世間から日の目を浴びることが
無くなってから、

そしてあなたが何者でも無くなってから、

本当の勝負が始まりますよ。

古田寛幸

追伸:
Arxcs&ARJとしてなぜ今のこの活動に至ったか。
詳細はこちらのインタビュー記事を
読んで頂けたらと思います。
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